精度が高い睡眠計測系を付けてVR睡眠してみた、というお話。
科学の進歩ってスゲー!
今、睡眠計測がアツイ!
任天堂からリリースされたゲーム感覚で睡眠を計測&改善できるポケモンスリープや、Appleを中心に各社しのぎを削っているスマートウォッチのデバイスなど、誰でも手軽に睡眠計測することができます。
スマホやスマートウォッチでの計測は、実は加速度センサーや心拍数などのデータを基にした疑似的な睡眠計測となっていて、今回は家庭で使えるけどガチ(医療用と遜色ない精度の)計測ができるInSomnografで睡眠計測をしてみました。
このサービスは申込制になっていて、申し込みをすると以下のような計測機器が貸与されます。
そして、このデバイスを着用して睡眠するのですが、スマホやスマートウォッチではできない睡眠の状態把握に重要なデータである脳波計測ができるのです!
そして…
今、VR睡眠がアツイ!
ヘッドマウントディスプレイをしてバーチャル空間で睡眠を行う、稀有で特異な行動をする人たちが一定数います。
過去の記事でもVR睡眠を紹介しています。
その特異な行動は、メリットもあればデメリットもあり、特に睡眠の質が悪くなるということがデメリットとして良く挙げられます。
そこで今回は、InSomnografのサービスを使ってVR睡眠の計測をしてみました!
※当たり前ですが、VR睡眠中の計測はInSomnografの想定の使い方ではございませんので色々許してね。
睡眠計測結果
InSomnografの計測された睡眠計測結果は以下の表のようになりました。
普通の睡眠とVR睡眠とで1日ずつ寝てその結果を比較してます。
普通の睡眠 | VR睡眠 | |
睡眠スコア(MAX100) | 87 | 64 |
睡眠時間 | 7時間19分 | 6時間5分 |
深い睡眠の割合 | 20% | 31% |
レム睡眠の割合 | 27% | 21% |
寝つきにかかった時間 | 13分 | 18分 |
目が覚めていた時間 | 19分 | 25分 |
睡眠効率 | 93% | 89% |
血中酸素ウェルネス3%低下回数/時 | 1回 | 9回 |
この後の考察はデータのサンプル数が1なうえに睡眠の知識についても専門家ではないので、素人による独断と偏見からくる感想あることをあらかじめご了承ください。
それでは、今回計測したデータについてピックアップして見ていきます。
睡眠スコア
睡眠スコアは計測したデータの総合スコアになります。
普通の睡眠が87なのに対して、VR睡眠のスコアは64と20以上のスコアの差があります。
うん、ですよね。という感じです。
色々な計測値の総合結果なので、それぞれの項目からスコアに影響していそうな箇所を見ていきましょう。
睡眠時間
普通の睡眠は7時間19分なのに対して、VRでの睡眠時間は6時間5分でした。
データの比較を銘打つくらいなら睡眠時間位揃えろよ!という話はごもっともなのですが、そうなった背景としてVRChatというVRSNSでVR睡眠を計測したことが原因の一つです。
というのも、VR上でのSNSという環境故に他者とのコミュニケーションが発生しやすい状況にあり、気が付いたら寝る時間が後ろにずれ込む状況が起こりなったことが外部要因としてありました。
VRSNSに限らず気を付けようね。
寝つきにかかった時間
この項目は横になってから寝るまでにかかった時間です。
今回は13分と18分でそこまで時間に差は無いですが、VR睡眠をする状況によってはVR空間上の音や視覚情報によって睡眠が阻害されて遅くなる可能性は十分にあると思います。
血中酸素ウェルネス3%低下回数/時
この項目は血中酸素濃度が一定以上下がった回数を示しています。
例えば、睡眠時無呼吸症候群のように睡眠中に無呼吸になって酸素が取り込めていない場合にカウントされるので、客観的な数値によって無呼吸症候群の早期発見に役立ちます。
普通の睡眠が1時間に1回なのに対して、VR睡眠だと9回とかなりの回数でした。
どうしても数値が1桁なので大した差がないように見えるかもしれないですが、どちらの睡眠時間も6時間として考えたとしたら、6回(1回×6時間)と54回(9回×6時間)になって結構な差になります。
VR睡眠時にはヘッドマウントディスプレイを頭に装着して睡眠するので、体勢に無理が生じて血中酸素濃度が低くなったのではないかと推測しています。
まとめ
「VR睡眠はHPは消費するがMPは回復する」
という名言がある通り、少なくともVR睡眠は体力を削っていることはまず間違いないと思います。
今回の計測と考察の結果からその原因としては以下の2つだと思います。
- VRSNSを通じての他者とのコミュニケーションによる睡眠時間の減少
- ヘッドマウントディスプレイ装着状態によって引き起こされる体勢の制限
前者はコミュニケーションによって寝るタイミングがずれ込みやすいことを自分自身で認識すること、後者は今後の睡眠に特化したヘッドマウントディスプレイの開発を願いましょう。
デメリットがあろうとも私たちはロマンを追い求めVR睡眠を追い求める。
それは良いVR睡眠ライフを!
※この記事はVR睡眠を推奨するものではありません。もし行う際は自己責任でよろしくお願いいたします。